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歯科矯正相談室からの回答:リテーナーの使用方法

「できるだけワイアーを長い期間つけていた方が歯が固定しやすいのでは」という考えは, まさにその通りです.
 

[用語について]
 固定という用語は, 歯科矯正学的には保定といい,固定というと意味が大きく異なります. 保定は英語でretain, その装置がretainer(リテ−ナ−, 保定装置)ですので, えまさんのいう固定は, ここでは保定と読み替えて回答いたします.
 
 歯科矯正医の用いるテクニックによって若干の違いはありますが, 矯正治療の最終段階で入るワイヤをアイディアル・ア−チワイヤ(日本語訳はありません)といい, これが通常フィニッシング・ワイヤになります. このワイヤを入れ続けることができれば, これは究極の保定装置(リテ−ナ−)といえます.

 確かに, 矯正科に入局した後に矯正治療を始めた医局員などは, 結構長くこのワイヤを入れ続けたりしますが, 通常の患者さんは, まず目立つ装置はできるだけ早く取り除きたいというのが心情だと思います.

 患者さんが装置を気にさえしなければ, 歯科矯正担当医はワイヤを入れ続けることに強く反対しないと思いますが, ご承知のように矯正装置は複雑ですから, 食物残渣は詰りやすく, 歯は磨きにくいという問題があります. また, 途中で装置が外れたりワイヤが変形したりする危険も高いため, 本来の保定装置による保定期間中よりも頻繁に, つまり動的期間と同じ間隔で通院して頂くことになるかと思います.

 本来, 保定装置は, 患者さんが指示通り使用してくれれば十分目的は達成されるものです. また, 矯正装置によって仕上がった咬合は, ある意味で人工的な機械的な咬合であり, ミクロン単位の微妙な咬合までは作り得ません.

 その人に適合した最終的な咬合関係は, 周囲の軟組織(口唇や舌など)や機能時(咀嚼や会話など)の作用によって微調整されて落ち着きます. その意味では, ややル−ズに作られた保定装置は, 生体による自然の調整を妨げないという役割を担っている, ということもできます.

 「歯が元に戻りやすいとか, 戻りにくいとかは, 治療中に分るものなのか」というのはなかなか回答のむずかしいご質問ですが, 後戻りの原因は単純ではなく, 動かした歯はすべて元の位置に戻ろうとする性質がある, とまずご理解ください.
 後戻りを防ぐ要因は, 後戻りの原因をいかに取り除き, 新しい咬合関係に適合させる(適合してくれる)かにありますが, 戻りやすいか戻りにくいかは, 治療中というより治療前の不正の状態でおおよそ判断がつきます.

 「堅いものを好んで食べる人は歯が移動しやすいか」というご質問が, 「後戻りしやすいか」という意味だとすれば, 答えは逆で一般的に「後戻りしにくい」といえます. 「矯正治療中の歯牙が移動しやすいか」という意味だとすれば, 確答は出来ませんが「移動しやすい」と考えられます.
 これは, 歯牙移動を生力学的メカニズムからとらえると, 細胞(破骨細胞と造骨細胞)の活性の度合が歯牙移動を左右しており, 一般に「堅いものを好んで食べる」人の歯牙周囲組織の細胞活性は高い, といえるからです. 小中学生の歯が動きやすく, 成人になるほど歯が動きにくくなる(時間がかかる)のは, この細胞の活性が年齢によって落ちるからです.
 歯に不適切な力が, 過度あるいは継続的に加われば, 歯牙あるいは歯周組織に為害作用を与えますが, 堅いものを好んで食べる−歯に圧力がかかるというメカニズムが正しく働けば, 歯牙や歯牙支持組織のみならず顎関節にも有益に作用します.
 堅い食物をとること, 良く咬むことは“一石三鳥”ぐらいいいことなのです.
 矯正治療後に堅いものを食べると後戻りしやすいと考えたとすれば, それは思い違いです.


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