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歯科矯正相談室からの回答:歯が1本引っ込んでいるかみ合わせについて

はじめまして. まず, 歯科矯正医が御質問のような患者さんの治療方針を考える場合, もっとも問題にするのは「どのくらいのスペ-スが必要か」という点ですが, これは, 実際の資料を精査したうえでなければ誰も判断できません. しかし,相談された歯科矯正医は「他の歯を少しずつ削ってスペースを作る」という判断だということですから, それ程大きなスペースは必要ないケース, と見ることができるのかもしれません.

 ただ,「本来, 抜歯すべきケ−スであったものを非抜歯で治療するために歯を削る」
と思われるケースには, 否定的な回答をしています. 通常は, 歯を削るくら
いのスペ−スでは本質的な解決にはならないと考えるからですが, 一方,下顎の
前歯に限ってはそう珍しいことではなく, 普通は削除量も多くはないので, こ
れは許される範囲の処置と考えます.

 「歯を少しずつ削って」というのは非抜歯論者が好んで用いる方法ですが,御質問のケースで, 納得の行く治療結果を得るところまで歯を削れるのか, 削っていいのか, それはここでは分かりません. ただ, 私(あるいは私の関係する学派)は, 原則的にこの方法はとりません.
歯を削るというのは不可逆的(元に戻れない)処置だからであり, その程度で期待する変化は望めないのがほとんどだからです.

 恩師の言葉に「歯科矯正治療は美しくなるためだけに行われるものではないが, 美しくなるために行われるものである」というのがあります. 歯科矯正治療の目的の一つに審美性の改善がありますが, その手段として, 日本人の歯科矯正患者の多くは抜歯が必要になります.

 もし, その先生の治療方針が
「いかに歯を抜かずに並べるか」にあり, その方便として歯の削除があるとしたら, それは正しい選択ではない, と私は思います.

 「歯が弱くなったり, 痛くなったりするようなことはないか?」
 すべてはその歯の削除量によります. 削除量が少な過ぎればスペ−スを十分活用できませんし, 削除量が多ければ心配するこような深刻な事態が起こる可能性はあります. また, 削除後の研磨が不十分だと虫歯になる危険もありますし, 削除後の歯牙の形態が不自然になる恐れもあります.
 歯科矯正治療を開始する前に,少なくとももう一人別の歯科矯正医にも口の中を診てもらい, 意見を聞いたうえでどうするか判断しても遅くはないように思います.


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