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歯科矯正相談室からの回答:歯科矯正治療後の安定性

「8歳の時にある個人病院で2年半の期間,歯科矯正治療を行なった」とありますが, 専門的な眼からするといくつか疑問があります.

1)8歳といえばまだ乳歯の残っている年齢ですが, そこから2年半つまり10歳で歯科矯正治療を終了しているということは, 十二歳臼歯(第二大臼歯:六歳臼歯の後の歯で, 前から数えて7番目の歯)までコントロ−ルしたか, また, できただろうか.
2)治療開始時期と治療期間から推測すると, 非抜歯(永久歯を抜かない)歯科矯正治療だった可能性が高い.
3)保定期間を置かなかった(no retainer:保定装置を使わなかった)ことから, その歯科医は歯科矯正専門医ではないのではないか.

 歯科矯正治療は基本的に一生に一度で済ますべきのものだと考えています. ただ, 歯ならび咬み合せは増齡とともに, 生体に適合しながら生涯変化し続けるものですので, 歯科矯正治療後の状態が一生変わらないというものではありません.

それでも, それはそれなりに落ち着いた, 機能上も問題の無いその人に合った個性的な咬合で推移していくものです.

 しかし, 手入れの仕方によってはその後の歯周病や虫歯, あるいはその治療(抜歯, 詰め物, 被せもの, ブリッジや義歯など)によっても咬合は変化しますから, その時点で新たな不正として歯科矯正治療が必要になる人はいますが, これは再治療とは別です.

 歯科矯正治療は, 大きくわけて動的治療と保定という2つから成り立っています. 動的治療というのは文字通り歯を動かす治療ですが, 動かした歯には必ず元に戻ろうとする性質がありますので, 動的治療後(いわゆる歯科矯正装置を外した後)元に戻らないように, ただちに保定装置(リテ−ナ−)という装置を, ほぼ歯を動かしたと同じ期間使用し, さらに保定装置を外して, それでも元に戻らないことを確認してはじめて歯科矯正治療は完了します.

 歯科矯正医にとって, 保定は動的処置と同じ重みをもっており, 歯を動かし終って治療は“道半ば”というのが専門医の感覚です. 極めて稀に保定装置を必要としないケ−スはありますが, 保定装置は着けなくても定期的な観察は続け, 親知らずの影響を確認し必要に応じて処置してやっと歯科矯正治療は完了です.

 それを考えれば, 保定期間を置かなかったという担当医の治療は納得しにくいものがあります.

 保定装置は通常, 取り外しができるタイプのものを使いますので, よく説明したにもかかわらず患者さんの勝手で使用しなかったために後戻りした場合の再治療は, 患者さんに責任がありますのでそれなりに治療費が必要になります.しかし,治療方針や仕上げの不備などで不安定な咬合になった場合などは, 歯科医側の責任で再治療することはどこでも比較的あるものです.


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